介護施設はどうやって探したらいい?種類や選び方について紹介
- シェフズデイサービス
- 2022.12.16
介護施設を選ぶということは、第二の家を探すようなものです。自宅のようにとはいかなくても、居心地のよい施設を選びたいものです。
とはいえ、介護施設と一言で言っても種類が多く、どのように選んだらよいのか迷っている方もいらっしゃるでしょう。施設によって費用やサービス内容が異なりますから、注意して選びたいものです。
そこで今回は、介護施設の種類や選ぶポイントについてご紹介します。探し方や入居までの流れもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
介護施設はどうやって探したらいい?
介護施設を探す方法はいくつかあります。4つの方法をご紹介しますので、自分に合った方法で探してみましょう。希望する条件に合う施設が見つかったら、資料請求をしてパンフレットを取り寄せると、詳しい情報を得ることができます。
インターネット
インターネットでも介護施設の情報を得ることができます。介護施設のホームページや介護情報のまとめページなどです。
インターネットなら気軽に多くの施設をチェックすることができます。職員数や設備、料金など特徴が見やすくまとめられているため便利です。
役所や地域包括支援センター
地域包括支援センターは、介護や医療、福祉に関する全般的な相談を行うことができます。人口1.5~3万人圏内に1ヶ所以上の設置が義務付けられている、公的な機関です。その地域にある介護施設に関する情報をもらうことができます。
地域包括支援センターが近くにないという場合には、役所の福祉担当窓口でもよいでしょう。民間施設を積極的に紹介することはあまりありませんが、地域の施設一覧などを用意している場合があります。
民間の紹介センター
公的な機関で紹介できる施設が少なく、希望する種類の施設を見つけられなかった場合は、民間の紹介サービスを利用する方法があります。
民間サービスではありますが、紹介料は介護施設から徴収しており、利用者は無料で利用できます。
担当のケアマネージャー
ご自身やご家族が介護を受けている状態であるのなら、担当するケアマネジャーに相談するのもよい方法です。ケアマネジャーは介護に関する知識のみならず、介護施設の情報にも詳しいです。担当するケアマネジャーであれば、その方に必要な介護や医療の程度をよく理解した上で施設の紹介をしてくれるでしょう。
介護施設にはどのようなものがあるの?
介護施設の種類は11種類あります。国や地方自治体など公的な団体が運営する「公的施設」が5種類、民間企業が運営する「民間施設」が6種類です。
「公的施設」は、介護保険施設とも呼ばれています。社会福祉の観点から、介護度の重い方や低所得者の保護と支援に重点が置かれています。国の補助金を受けて設立されているため民間施設よりも費用は抑えられますが、その分空きが少なく入居待ちになりやすいというデメリットもあります。
一方、「民間施設」は、ニーズを満たすことに重点が置かれ、施設ごとに特色のある多様なサービスがあります。公的施設より費用が高めというデメリットがありますが、多様なサービスで快適に生活ができるメリットがあります。
それでは施設ごとに概要をご紹介します。
公的施設1. 特別養護老人ホーム
要介護度の高い方におすすめの施設です。寝たきりや認知症など、介護度の高い方が入所できます。終身利用も可能です。費用が安く入居希望者が多いため、入居待ちが長い傾向にあります。
公的施設2. 養護老人ホーム
生活保護を受けている方が対象の施設です。経済的な理由で在宅サービスを受けることができない方が入所できます。介護施設ではないため介護度が高くなると退所しなくてはならない場合があります。
公的施設3. 介護老人保健施設
退院直後など、自宅での日常生活が困難な方におすすめの施設です。医療的ケアやリハビリを受けることができます。入所期間は原則3か月で、終身利用はできません。
公的施設4. ケアハウス
身寄りがなく生活に不安がある方におすすめの施設です。「一般型」と「介護型」の2タイプがあります。
「一般型」は、家族からの支援が難しい60歳以上の方なら入居が可能ですが、原則介護度や医療的ケアを必要とする方は入居できません。
一方、「介護型」は専門スタッフによる介護サービスが提供されます。
公的施設5. 介護医療院(介護療養型医療施設)
日常的に介護や医療的ケアが必要な方向けの施設です。医師や看護師が常駐しており、長期の入所や終身利用が可能です。認知症の方でも入所できます。
民間施設1. 介護付き有料老人ホーム
日常的に介護ケアが必要な方におすすめの施設です。原則介護が必要な65歳以上の方が対象の施設ですが、自立の方も利用できる場合があります。入居条件も幅広く、手厚い介護ケアが受けられるメリットがあります。
民間施設2. 住宅型有料老人ホーム
手厚い介護ケアは必要ない方向けの施設です。食事や掃除、洗濯などといった生活援助サービスが受けられます。介護度が高い方や医療的ケアが必要な方は入居できないことがあります。
民間施設3. サービス付き高齢者向け住宅
60歳以上の方が入居できるバリアフリーの賃貸住宅です。安否確認と生活相談が提供され、自立して生活をしたい方に向いています。介護が必要になったら外部サービスを利用できますが、介護度が高くなると住み続けるのが難しくなるでしょう。
民間施設4. グループホーム
65歳以上の認知症をもつ方のための施設です。施設のある市区町村に住民票がある方のみ入居できます。可能な範囲で、役割を持ち自立した生活を行えるようサポートしてもらうことができます。少人数で、穏やかに暮らせる環境が整えられています。
民間施設5. 健康型有料老人ホーム
介護の必要がなく、自立した生活が可能な方のための施設です。そのため、介護が必要になった場合や認知症を発症した場合は退所しなくてはなりません。サークル活動やイベントなども充実しており、アクティブにシニアライフを楽しみたい方向けです。
民間施設6. シニア向けマンション
シニア向けマンションは、高齢者が住みやすいバリアフリー設計の分譲マンションで、生活支援サービスを受けることができます。物件を購入することになるので、売却や譲渡、賃貸など自由に行うことができます。富裕層向けの設備が充実した物件が多いです。
介護施設を選ぶ時のポイント
施設の種類がさまざまあると分かったところで、たくさんある施設の中から自分に合った介護施設をどうやって選んだらよいのでしょうか。選ぶ際のポイントについてご紹介します。
必要な介護体制や医療体制などのニーズを満たせるか
施設に入居する際には、定められている要介護認定の条件をみたしておく必要があります。
老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院の入居条件は「要介護1」以上です。特別養護老人ホームは「要介護3」以上が必要となります。ただし、認知症などにより日常生活に支障が生じている場合はそれ以下でも入所できる場合もあります。
民間施設では、グループホームの場合「要支援2以上」の認定が必要です。有料老人ホームの場合は施設のタイプによって条件が異なります。
認知症を患っているかどうか、インシュリン注射や胃ろうといった医療的ケアが必要かどうかも大切なポイントです。専門スタッフの配置や設備など、受け入れに対応している施設を選ぶ必要があります。
また、最期の看取りができるかどうかなどの入居条件も、施設を選ぶ大切なポイントとなるでしょう。
費用
費用についても重要な項目になってきます。家賃や食費などの入居費用は各施設ごとに設定されています。そのため施設ごとに大きく異なります。余裕を持って支払いができるよう、経済状況に応じて入居先を選ぶとよいでしょう。
また、民間施設の中には月々の費用の他に、入居一時金が発生する施設も多くあります。資料請求をした際に確認しましょう。
生活に関する希望が叶うかどうか
自立支援をサポートしてくれるかどうか、レクリエーションや季節のイベントを大切に生活できるかなど生活に関して気になることもあるでしょう。施設に入ったからといって、それまで大切にしていたその人らしい生活を諦めるのはもったいないことです。
食事の提供に関することや、自分の趣味を続けられるかどうか、入居者同士の交流の程度など、自分の希望に合う施設を探しましょう。
介護施設の選定から入居までの流れ
介護施設に入居するまでの流れはどのように進んでいくのでしょうか。
一般的な流れは次の通りです。
- 施設を探す
- 見学や体験入居をする
- 仮申し込みをする
- 面談/入居審査
- 契約/入居
施設を探す
地域包括支援センターや民間の情報センターへの相談も大切ですが、その前に自分の希望をざっくりとまとめておくと相談がスムーズに進みます。
インターネットや相談によって気になる施設を見つけたら、資料請求をして詳細を確認しましょう。そして、良さそうな施設を見学してみることをおすすめします。
施設の見学
見学はとても大切です。資料やホームページだけでは実際のところは分からないためです。雰囲気や生活の様子を見て確認しましょう。
可能ならば、1か所に絞って見学するのではなく、3か所程度見学をしてみましょう。それぞれの特徴も明確となり、選びやすいといえます。
また、施設によっては体験入居を受け付けている場合があります。体験入居とは、お試しとして3日~1週間程度入居できるものです。入居後の生活が具体的にイメージできます。
仮申し込み
比較検討し、申し込みをしたい施設が見つかったら、まずは仮申し込みをします。申し込みをしても、すぐには入居できません。仮の申し込みになります。この仮押さえの間に、入居に必要な書類の用意をしたり、施設との面談の日時を決めたりします。
仮押さえ期間はたいてい1ヵ月ほどとされていますが、施設ごとに異なるため確認しましょう。この期間に準備する必要がある書類は、診療情報提供書や健康診断書などです。
面談/入居審査
施設側と面談を行います。目的は、施設側が利用者の健康状態や希望条件などをチェックすることです。要介護者なら、状態をよく理解しているケアマネージャーが同席します。要介護度や健康状態、経済状態などが確認され、この面談結果を元に、施設内で入居のための審査が行われます。
特に経済状況は、身元保証人の有無に重点が置かれます。近年では身元保証人がいなくても入居が可能な施設も増えてきていますが、後見人制度や民間の保証会社を利用する方法もありますので、身元保証人がいない方は事前に考えておきましょう。
契約/入居
施設側と入居契約が済んだら、実際に入居する日を決定します。無理のないスケジュールで引っ越しの計画を立てましょう。
まとめ
今回は介護施設の選び方についてご紹介しました。介護施設には運営機関の違いや介護・医療の必要度、対象疾患などによって11種類の施設があります。希望するサービス内容や生活の希望などをよくまとめ、合った施設を選びましょう。
特に生活の希望は「どう生きるか」において重要です。大切にしたいものを大切に生活していける環境は、生活の満足度へとつながります。食事や入居者同士の交流の程度、趣味を続けられるかなど、希望を整理しておきましょう。
施設を探す際はインターネットや地域包括支援センター、ケアマネージャーなどが頼りになります。いづれにしても施設の雰囲気や職員の様子などは見てみないと分からないため、よいと感じた施設は実際に見学することが大切です。
施設の種類も数も多く選ぶのは容易ではありませんが、介護施設は第二の自宅です。納得した選択ができるよう、情報収集が欠かせません。シェフズデイサービスでも介護に役立つ情報を順次お伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。